フラックス残渣

フラックス残渣

サマリー

・フラックス残渣は、はんだ金属由来のスズ塩やチクソ剤が、残渣の原因となる場合が多い。
・洗浄条件を見直すことで、残渣を除去することができる。

フラックス残渣について

フラックス残渣は導電不良やマイグレーション、樹脂モールド不良、外観不良といったトラブルを引き起こします。フラックス残渣はフラックスが付着していた場所に発生するため、顕微鏡等で容易に残渣を確認出来ます。また洗浄剤の溶解力不足が原因であるため、洗浄時間の延長等で解決出来ます。
リフロー時、通常スズイオン1個に対しロジン2分子が結合した構造(B)になるのに対して、リフロー温度が低い場合、スズイオン1個に対しロジンが1分子だけが結合した構造(A)が多く生成します。構造(B)は洗浄剤に溶解しやすいですが、構造(A)は洗浄剤や水に不溶で残渣となりやすいです。
はんだの濡れ性、チクソ性改善のため、硬化ヒマシ油、水添石油樹脂、アミド系化合物等を多量に添加したフラックスもありますが、これらチクソ剤と呼ばれる添加物は洗浄剤に溶け難いため残渣になりやすく、はんだ接合部分周辺のフラックスが溜まりやすい場所に発生することが多いです。

解決策

・洗浄時間を延ばす、洗浄温度を上げる

・超音波の出力やシャワー、スプレー等の圧力を上げる

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