超音波洗浄方式

超音波洗浄方式

サマリー

・超音波洗浄はキャビテーションと呼ばれる、気泡が破裂する際の衝撃波を利用し、洗浄を行う。
・被洗浄物へのダメージや汚れの種類なども考慮し、周波数、揺動、治具・バスケットを選定する必要がある。

超音波洗浄について

超音波洗浄では、用いる周波数によって洗浄のメカニズムや用途が異なります(表)。一般的に低周波ではキャビテーションと呼ばれる現象が起こり易いとされており、気泡が破裂する際の衝撃波を利用することで強力な洗浄を行なうことができます。一方、高周波では液体分子の加速度運動による影響が大きく、比較的穏やかな洗浄を行なうことができます。洗浄力とワーク(被洗浄物)へのダメージはトレードオフの関係にあり、洗浄対象となる汚れの種類やワークの強度に応じて適切な周波数を選択することが重要です。

キャビテーションとは?

音波が“密”から“疎”に移行する際、瞬間的な圧力変化により液中に真空に近い気泡が生成し、それが収縮、膨張を繰り返した後、破裂することによって衝撃波が生じる現象をキャビテーションといいます。

液体分子の加速度運動とは?

液中に超音波が照射されることにより、液分子が振動して加速度運動をします。この時に生じた物理力によって汚れを落とすことが可能であり、周波数が高いほど加速度運動は激しくなります。

洗浄ムラと対策

超音波には“疎”と“密”の部分が存在するため、ワークの洗浄性にムラを生じることがあります。洗浄ムラは、洗浄中にワークを揺動させたり、周波数のスイープ機能(周波数を僅かに変化させる機能)を利用したりするなどして低減させることが可能です。また、洗浄に使用する治具・バスケットの構造や材質によっても、超音波が減衰して洗浄ムラを生じることがあり、当社では洗浄物に応じて最適な治具・バスケットを提案しております。

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