異常箇所の原因解明分析① SEM-EDSによる元素分析
異常箇所の原因解明分析① SEM-EDSによる元素分析
サマリー
・SEMは対象を観察する手法であり、電子線を利用して微細な表面構造を観察できる。
・EDSは特性X線を利用して、試料表面の構成元素分析ができる。
・EDSは特性X線を利用して、試料表面の構成元素分析ができる。
SEMについて
SEM(Scanning Electron Microscopy:走査電子顕微鏡)は電子顕微鏡の一種であり、試料に電子線を当てた際に出てくる二次電子や反射電子を検出し、対象を観察する手法です。光学顕微鏡では光の波長より短いものを観察することができませんが、SEMでは波長の短い電子線を用いるため、試料の微細な表面構造を観察することができます。二次電子像では試料表面の凹凸の様子を、反射電子像では元素組成によるコントラストの様子を主に観察することができます。
EDSについて
EDS(Energy dispersive X-ray spectrometry:エネルギー分散型X線分析)は、電子線照射により発生する特性X線(蛍光X線)をエネルギーにより分光、検出します。特性X線のエネルギーは元素に固有なので、試料を構成する元素の分析を行うことができます(分析深さ数百nm~数μm(分析条件による))。SEM-EDSによる元素分析の例として、洗浄液によりステンレス板上に生じたシミの分析結果を示します。シミの部分は、シミがない部分に比べてCのピークが大きくなっていることから、このシミは有機物由来であることがわかります。
※EDSでは、観察箇所周辺の元素も少し検出されます。