世の中における洗浄の役割

洗浄の意味と種々の洗浄分野

「洗浄」の意味

「洗浄」とは「汚れ」を取り除く作業であり、「汚れ」とはその存在によって対象物の価値を下げたり、対象物の周辺環境に不都合が生じたりするものを指します(汚れの例:「衣服に付着した汚れ」:外観を損なうばかりでなく、不衛生な状況を導き、着用者の健康に悪影響を及ぼします)。物質の状態は気体、液体、固体の3種類に分けられますが、固体に付着した汚れをその固体から除去する操作を一般には「洗浄」と呼びます。

洗浄剤の種類

「洗浄」は様々な分野で扱われています。その洗浄剤の分類を表1に記します。特に重要な意味を持つ「洗浄」にはその効率を上げるための洗浄剤が用いられていますが(例:洗濯用、台所用、住居用等の家庭用品、皮膚や毛髪を洗浄する化粧品類等)、本稿では主に⑨の「一般産業用」洗浄剤に関して詳しく解説します。

 

表1.洗浄剤の種類

洗浄剤の種類一覧
①家庭用品 洗濯用合成洗剤、台所用合成洗剤、漂白剤、研磨剤 etc.
②化粧品 洗顔料、シャンプー、ボディーソープ、歯磨き剤 etc.
③清掃業務用 床清掃用洗浄剤、窓清掃用洗浄剤 etc.
④クリーニング業務用 ランドリー用洗剤、アルカリ剤、漂白剤、ウェットクリーニング用洗剤 etc.
⑤厨房用 業務用食器洗剤、食品洗浄用洗剤 etc.
⑥医療関係 医療機器・器具用洗浄剤、消毒剤 etc.
⑦輸送関係 車両洗浄剤、船舶洗浄剤、航空機洗浄剤 etc.
⑧食品飲料関係 ビン洗浄剤、ラベル除去剤 etc.
⑨一般産業用 系洗浄剤、準水系洗浄剤、非水系洗浄剤 etc.

一般産業用洗浄剤の主な用途

一般産業用として使われる洗浄剤の主な用途、洗浄物、除去対象物に関して表2に示します。洗浄用途としては、基板をはんだ付けした後に残渣となるフラックスの洗浄、カメラモジュールの部品であるCMOSのパーティクル洗浄、金属部品等の切削・打抜き加工後の周辺部の脱脂洗浄、更には感光性樹脂の現像(洗浄)等があります。

 

表2.主な洗浄用途と除去対象物

洗浄用途 洗浄物 除去対象物
フラックス洗浄 電子部品(実装基板、FPC、HIC、WL-CSP、インターポーザー、FC-BGA、MCM 等) 加熱したソルダペーストより流れ出るフラックス
パーティクル洗浄

電子部品(CMOS 等)

ウェハー

μmサイズのパーティクル
脱脂洗浄 金属部品(リードフレーム 等) 切削加工油
樹脂・接着剤洗浄 電子部品(パレット、マスク、光導波路基板 等)

樹脂・接着剤

感光性樹脂の現像液

 

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