環境対応(VOC)
環境対応(VOC)
VOCについて
VOC(Volatile Organic Compounds)とは、揮発性有機化合物(有機溶剤)の略称であり、代表例としては、トルエン、ジクロロメタンが挙げられます(環境省が示す主なVOC100種を参照)。これらは各産業での重要物質ですが、環境中に放出されると公害(光化学スモッグ等)を引き起こします。したがって、環境中に放出するVOC量の低減が求められています。なお、VOCの定義は国・地域によって様々です(表1)。
表1.VOCの定義
日本(大気汚染防止法) | 排出口から大気中に排出され、また飛散したときに気体である有機化合物。 |
EU | 20℃において0.01kPa以上の蒸気圧を有する有機化合物又は特定の使用条件下で同等の揮発性を有する有機化合物。 |
WHO(世界保健機構) | 沸点が260℃以下の有機化合物。 |
VOC排出抑制の法規制
日本では大気汚染防止法の改正(2004年)により、VOCの排出規制が定められています。工業用洗浄用施設の場合、大規模施設(空気接触面積が5m3以上)はVOC排出規制(400ppmC以下)の対象となります。大規模施設以外においても、自主的取組でVOC排出抑制に努める必要があります。
※ppmC:炭素数1の揮発性有機化合物に換算した容量濃度
VOC排出抑制の対策例
- ①有機化合物の使用量低減
・水系洗浄剤(有機化合物の含有量:低)に変更
・機能水(有機化合物を含まない)に変更 - ②低揮発性有機化合物への変更
・低沸点溶剤(揮発性:高)を高沸点溶剤(揮発性:低)に変更 - ③環境中への放出低減
・洗浄槽に蓋をする
・局所排気設備及び回収・除去設備(冷却、吸着、燃焼等)の設置
VOC排出抑制に向けての荒川化学の取り組み
当社が販売する産業用洗浄剤「パインアルファ」は、環境省の示す主なVOC100種を含んでおりません。高沸点溶剤を使用した準水系洗浄剤や、有機化合物の使用量を低減した水希釈系洗浄剤もラインナップしており、VOCの排出抑制が可能です。