異常箇所の原因解明分析② 赤外光分析(FT-IR)、ラマン散乱光分析

異常箇所の原因解明分析② 赤外光分析(FT-IR)、ラマン散乱光分析

サマリー

・赤外光分析・ラマン散乱光分析は対象物の官能基の種類を知ることができる手法である。
・官能基の分析から、①金属と有機物の判別、②洗浄剤とフラックスの判別等が可能となる。

赤外光分析・ラマン散乱光分析について

赤外光分析及びラマン散乱光分析では、分析対象物(主に有機化合物)にどのような官能基(CH3-、-COOH等)が含まれるかを知ることができます。また、顕微鏡を組み合わせることで、微小な領域の測定が可能となります。産業洗浄分野においては、未知物質(不明な有機物等)を特定するのに有効な分析方法となります。

測定原理

赤外光分析は、分析対象物に赤外光(波数‥約650~4000cm-1)を照射させて、各波数における赤外光の吸光度を測定します。一方、ラマン散乱光分析は、分析対象物にレーザー光を照射させて、中間状態経由後に発するラマン散乱光を測定します。いずれの分析においても、hν(分子の振動エネルギー)を知ることで、官能基の有無を知ることができます。

主な官能基

赤外光分析及びラマン散乱光分析では、C-H結合を含む化合物(有機化合物)は2900cm-1付近、C=O結合を含む化合物は1700cm-1付近に吸収・ピークが確認されます。したがって、「①金属と有機化合物物の判別、②洗浄剤とフラックスの判別」が可能となります。

お問い合わせ

  • Facebook
  • Twitter
  • Line