パインアルファの洗浄メカニズム

パインアルファの洗浄メカニズム

サマリー

・フラックス残渣中には、ベース樹脂、活性剤、チクソ剤、洗浄しにくい熱反応物(Sn塩など)が含まれる。
・洗浄剤パインアルファはそれら成分を効果的に溶解、洗浄することができる。

はんだ付け時に発生する「汚れ」

はんだ付け後のフラックス残渣中には、ベース樹脂、はんだ付け時に揮発し切れなかった溶剤、活性剤、チクソ剤、更には、はんだ付け時にフラックスと反応することで生じた金属塩も存在します。現在主流のはんだ金属は、錫96.5/銀3.0/銅0.5wt%が主流となっており、予備加熱からはんだ付けする過程で錫とロジンや活性剤との反応物(錫塩)が多く発生します(図1)。錫塩は、従来の錫-鉛系のソルダペーストではんだ付けされた際に生じるフラックス残渣よりも洗浄しにくいことが一般的に知られており、錫塩を効果的に除去できる洗浄剤の要望が高まっています。

図1. フラックスとはんだ金属との反応

パインアルファの洗浄メカニズム

パインアルファは、特に錫塩に対して選択的に反応する添加剤(以降「錫塩捕捉剤」と記載)を加えることで、錫塩の洗浄性を高めた洗浄剤です。図2にパインアルファのフラックス洗浄メカニズムを示します。パインアルファは、主に有機溶剤、アルカリ成分、錫塩補足剤からなり、まずフラックスが洗浄剤の主成分である溶剤と接触することでフラックス中のロジン、活性剤、金属塩を溶出させます。その後、洗浄液中に存在するアルカリ成分がロジンや活性剤などのいわゆる酸と反応し、水に可溶な塩をつくります。更に、はんだ付けの際に発生した錫塩は、錫塩捕捉剤によって水に可溶な塩となります。これらの水溶性の塩は、次のリンス工程、仕上げリンス工程で除去され、基板が清浄化されます。

図2. パインアルファの洗浄メカニズム

 

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